隣人の男性に自宅を譲った女性。家の中を見た男性は驚愕します

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スティーブン

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スティーブンは、息をひそめて家の前に立ち尽くしていました。この家が自分のものになったことがいまだに信じがたかったのです。これまで何度も訪れたことのある場所が、まるで初めて来る場所のように感じられます。しかし、スティーブンはその家が自分のものになっただけでなく、別のことでさらに驚くことになります・・・

何かがおかしい

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スティーブンは、弁護士に渡された鍵を使って家の中に入りました。家の中を見まわすと、懐かしい光景が目に映ります。すべてが、記憶していたとおりのままです。しかしその中に、スティーブンの目を引くものがありました・・・

「信じられない・・・」

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テーブルの上に大きなスーツケースが置いてあったのです。そこにはスティーブンの名前が書いてありました。震える手でゆっくりとスーツケースを開けたスティーブンは、驚愕します。「彼女がこんなことをするなんて・・・」

スティーブンの置かれた状況を理解するには、少し過去にさかのぼってお話する必要があります・・・

エリー

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エリー・バーンズはアラスカの田舎に住む96歳の女性でした。地元で育ち、町から出たいと感じたことは一度もありませんでした。エリーは地元をこよなく愛していたのです。また、彼女には72年の結婚生活を共にした最愛の夫、ピーターもいました。開けた土地の平穏と静けさが好きでした。天候が許す限り、ピーターとポーチに座って外を眺めるのがエリーの楽しみだったのです。しかしその後、エリーの静かな生活が一変してしまいます・・・

悲劇

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ある日、ほんの短い入院ののち、ピーターが亡くなってしまったのです。エリーは呆然とします。老齢の夫婦でしたが、ピーターが先に亡くなってしまった場合のことをゆっくりと考えてみたことはありませんでした。夫婦ではどちらかと言えばピーターの方が体は健康でした。ピーターがいなくなった今、エリーはどうすればよいのでしょうか？

別々の道

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ピーターとエリーとは違い、夫婦の子供たちはアラスカがあまり好きではありませんでした。子供たちは、遥か遠くの地、南の米国本土へと引っ越してしまっていたのです。娘たちは2人とも、ボストンかダラスに引っ越せるならば、一緒に住んで欲しいとエリーに申し出ました。しかし、エリーは都市部での生活など、想像するだけでも嫌だったのです。それに、誰にも理解してもらえないようでしたが、エリーにはアラスカに深い思い入れがありました・・・

幼馴染

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エリーがアラスカへ引っ越ししてきたのはまだ幼いころのことでした。ピーターと出会ったのは学校の初日です。当時は、特にほかにすることもないので、庭で遊んだり、一緒に自転車に乗ったりしていました。2人が住んでいたのはあまり大きな町ではなかったからです。エリーは、成長するにつれて、ピーターと結婚し、一緒に素晴らしい生活を送ることを夢見るようになりました。けれどもそれも予想したとおりには行きませんでした。

厳しい時代

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結婚したエリーとピーターは、安定した仕事を見つけるのに非常に苦労しました。2人が購入できたのは、エリーが夢見た立派な家ではなく、寝室が1部屋と小さな居間がある、こじんまりとした家でした。豪華な家ではありませんでしたが、修繕のための貯金をしながらなんとか暮らしていました。しかしなかなか思うようには行きません。

頑固で固い意思

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その家は、ピーターが亡くなるまでの間に、数えきれないほどの修繕が行われていました。エリーは、合理的な考えの人ならもうはるか昔に取り壊しているはずだと思っていましたが、その家には大切な思い出がたくさんあります。とはいえ、もうすぐ厳しい冬がやってきます。この家が重い雪に耐えられるようにしておかなければなりません。しかし、誰に助けを求めればよいのでしょうか？

救いの手

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幸い、エリーは徒歩10分ほどの場所に住む隣人から助けを得ることができました。何年にもわたって交友があったその隣人夫婦は、エリーの家の手入れの手伝いを申し入れてくれたのでした。しかし、雨漏りのある屋根や損傷した窓など、やるべきことは山積みでした。そして、エリーの隣人夫婦自身も実はほかの問題を抱えていたのです・・・

やり直しのチャンス

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エリーの隣人たちも歳を取っていたので、エリーの家を直すための肉体労働はあまりできませんでした。また、何年もホームレス生活をした後、数年前に実家に戻ってきた息子、スティーブンについての心配事もありました。スティーブンは、エリーの最愛の町について、あまり居心地の良い場所だとは思っていませんでした。

職探し

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スティーブンは職探しはしていたのですが、うまくいきません。このような片田舎では仕事もあまりなく、自力で生活できるだけのお金を稼ぐことができませんでした。スティーブンは両親に頼らなければならないことふがいなく思っていましたが、車さえもないため、仕事を探して遠くまで行くこともできません。こうして希望を失いかけていたとき、彼の運が上向きます・・・

暇な時間

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スティーブンはまだ若く健康だったので、両親には手に負えないエリーの家での修繕作業をするだけの力もありました。それにスティーブンには暇な時間がたくさんあったので、エリーを助けるためできる限りのことをするようになりました。エリーはお金を渡そうとしましたが、スティーブンはいつもそれを断りました。スティーブンは、エリーに恩を感じていたからです。2人が出会ったとき、スティーブンはみじめな生活をしていました。

スティーブンを招待

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スティーブンが最初に故郷に戻ってきたとき、スティーブンがホームレスだったことは地元のみなに知れわたっていました。みながスティーブンを軽蔑し、生活を立て直すチャンスを与えてくれません。スティーブンは、強い孤独感を味わっていたのです。しかし、エリーとピーターはすぐにスティーブンを歓迎し、ときどき夕食に招待しては元気づけてくれていました。このため、スティーブンは優しいエリーにできるだけの恩返しをしたかったのです。この助けたいという気持ちがこのあと自分の人生を大きく変えることになるなど、スティーブンは想像していませんでした・・・

善行

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スティーブンはできる限りあらゆる方法でエリーの手伝いをし続けました。エリーのために食料品の買い物に行き、家を掃除し、家の修理も終わらせました。こうして、2人の絆はますます強いものになっていきました。スティーブンがお金を受け取ろうとしないので、エリーはスティーブンのために夕食を作ったり、冬用にマフラーを作ったりしました。しかし、この状況をよく思わない人もいたのです。

対立

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スティーブンの両親は、息子がエリーのためにただ働きしていることをよく思っていませんでした。エリーの家であまりに長い時間を過ごしていたので、仕事探しをする時間がなかったのです。スティーブンに安定した収入がないことで、何年もの間スティーブンを援助してきた2人の家計も苦しくなってきていたのです。この状況を変える必要がありました・・・

最終通告

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結局、スティーブンの両親は、エリーの手伝いを続けるか、家に住むかのどちらかを選ぶよう、スティーブンに言いわたしました。自立するための努力をしないのであれば、これ以上の援助は続けられなかったのです。スティーブンは、両親の言うことも納得できましたが、だれにも優しいエリーに対して両親がもっと寛大でないことに驚きました。そして、決断のときが来ます。

難しい選択

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スティーブンは、エリーを見捨てるつもりはないことを両親に伝えます。エリーと数か月の時間を過ごすうちに、彼女は唯一の友人だと思うようになっていたのです。スティーブンの両親は、荷物をまとめて家を出るよう、スティーブンに言いました。息子に再び路上生活をして欲しくはありませんが、ほかにどうすればよいのかわからなかったのです。スティーブンも同様でした。

エリーは再び独りに

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スティーブンは岐路に立っていました。田舎の町を離れてもっと大きな都市に出れば、仕事を見つけるチャンスが広がります。しかし、それではエリーを独り残していくことになります。電話をして話をすることはできますが、家事の手伝いをする人がいなくなってしまいます。スティーブンがいなくなったら、エリーはどうするのでしょうか？

決断

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結局スティーブンは、自分自身のために町を出る決断をします。両親は喜び、スティーブンが仕事探しをする間の数週間、モーテルに宿泊するのに十分なお金を渡してくれました。しかし、荷物をまとめる間、スティーブンが心配していたのはこれからの都市での生活がどのようなものになるかについてではありませんでした。スティーブンの頭の中はエリーに別れを告げなければならないことでいっぱいだったのです。

別れ

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スティーブンはエリーに町を離れなければならないことを知らせに行きました。エリーはそれを聞いてとても悲しみます。一緒にたくさんの時間を過ごしたので、2人ともとても親しい間柄になっていました。しかし金銭面が厳しい状況では、ほかに選択肢はないとスティーブンは考えていました。経済的に自立した生活ができるようになる必要がありました。ただ、その生活にエリーの存在がなくなってしまうことだけが心残りでした。少なくともその時点ではそう思っていました・・・

順応

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スティーブンの援助に頼りきりだったエリーはなんとか独りで生活しようとします。けれどもやはり、老齢のエリーには自分ではできないことがたくさんありました。エリーの子供たちは、小さな家を引き払い、南に引っ越すようエリーを説得しようとします。しかし、エリーが子供たちを育て上げたのはこの家です。ピーターと暮らした家でもあり、大切な思い出がつまっている場所でもありました。家を手放すなど想像もできないことでしたが、エリーはほかに選択肢がないと思うようになっていました。

独り暮らし

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エリーは、独り暮らしができるかどうか試してみる決意をしていました。スーパーに買い物に行き、家の掃除をして、少しは家の修理もしていました。そんな生活を3週間続けたころ、独り暮らしをしていくのはやはり無理であることを思い知る、ある事故が起こります・・・

腰を骨折

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エリーが台所で片付けをしている間、床に落としたタオルにつまずいてしまったのです。転倒したエリーは、腰を激しく床に打ち付けて骨折してしまいました。エリーは最初、この事故を家族から隠そうとしたのですが、医者から連絡を受けた子供たちにすぐに気付かれてしまいました。子供たちにとってはこれが決定打になります。自分たちが住む家の近くにある老齢者向けの住居に引っ越すようエリーを説得しました。

ほかに選択肢がない

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エリーはこれまで、この考えに強く反対していたのですが、もうこの時点では現実を認めるしかありませんでした。エリーは、自分の望みが愚かで危険なものであり、家族を心配させることにしかならないことを理解していたのです。60年間、ずっと住んできた家を出る時が来てしまいました・・・

家の持ち主は誰に？

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エリーが引っ越すことが決まり、1つだけ課題が残りました。今の家はどうすればよいのでしょうか？エリーは家を売却することも考えました。しかし、どう考えても高い値段で売れるはずもありません。それに、この家の持ち主の資格がある人物は1人しか考えられません。スティーブンです！

弁護士に援助を依頼

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エリーは、家の権利譲渡がスムーズに進むよう、弁護士の手を借りることに決めました。それに、弁護士からスティーブンにすべてを話してもらいたいと考えていました。エリーからスティーブンに電話しても、言葉がうまく出てこないだろうと思ったのです。スティーブンには、なにもかもをはっきりと説明する必要がありました・・・

スティーブンに家を譲渡

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エリーの古い家の持ち主になることをスティーブンが望むかどうかも分かりませんでしたが、エリーにとって、それはあまり重要なことではありませんでした。しかし、スティーブンのためにエリーが家の中に残していくものについては、嬉しく思うに違いない、とエリーは確信していました。家は、本当にスティーブンにあげたいものを隠す口実に過ぎなかったのです。スティーブンはとても驚くはずです・・・

大きな驚き

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弁護士から電話を受けたとき、スティーブンは非常に驚き、どうすればよいのか迷いました。エリーが大好きだった家から引っ越すことになる、しかも家を自分にくれるなど、予想したこともありませんでした。自分は果たして、そんなことをしてもらうほどの価値ある人間なのでしょうか？それとも、ほかに何か隠された事情があるのでしょうか？

疑念をぬぐえないスティーブン

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エリーの行動は寛大すぎるものでした。スティーブンは、頭のどこかで両親が何か関係しているのではないか、と疑います。また、スティーブンに自分たちの近くに住んで欲しいと思ったのでしょうか？考えれば考えるほど、アラスカの田舎に住みたいという気持ちは薄れていきました。

家の売却という選択肢

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しかし、建物の状態がどれほど悪かったとしても、家を譲渡されるということは、拒否するにはあまりに嬉しい話です。両親が何か関係しているとしても、エリーからのとても寛大な申し出であることに変わりはありません。それに、いずれは売却してお金に変えてしまうこともできます。

大都市での困難な生活

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大都市に戻ったスティーブンの生活は容易ではありませんでした。また路上生活をするようになっていたのです。大都市に戻った理由は安定した職を見つけることでしたが、なかなか職につけず、不規則な仕事がごくたまに見つかるだけでした。

大都市の生活に馴染む

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しかし、その残念な状況にもかかわらず、スティーブンは大都市での生活に馴染み、そこで暮らし続けたいと考えていました。家を売却して得たお金があれば、大都市での生活をやり直せるかもしれません。少なくとも、スティーブンは最初そう思っていました・・・

1つの条件

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スティーブンは弁護士に電話をかけ、申し出を受け入れて家を譲り受けることにした、と伝えます。そして、家の売却を手伝ってもらえるかどうか、その弁護士に尋ねました。すると弁護士は、スティーブンが一度だけでも家を訪れることを条件に売却の手伝いをする、と言ったのです。

説明なし

出所： Shutterstock.com / chase4concept

スティーブンは少し驚き、この奇妙な条件に混乱を覚えました。説明してくれるよう弁護士に頼みましたが、これ以上詳しくは何も言えないと言います。あるいは、説明したくないだけなのかもしれません。スティーブンはしぶしぶ、その条件を受け入れることにしました。もう一度、あの地を訪れることを躊躇する大きな理由はありません・・・

エリーへの疑問の数々

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スティーブンは次にエリーに電話することにしました。家を譲渡してくれたことにお礼を言いたかったし、エリーの近況についても知りたかったからです。エリーはなぜ引っ越してしまったのでしょうか？また、奇妙な条件についてもエリーが説明してくれることを願っていました。

電話に出ないエリー

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しかし、エリーは電話に出てくれませんでした。頻繁に何度電話しても、エリーが出ないのです。いつも留守番電話に繋がるだけでした。突然スティーブンは心配になります。エリーの身に何かあったのでしょうか？それが理由でスティーブンに家が譲渡されたのでしょうか？これは遺産なのでしょうか？

何が起きたのか？

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弁護士は、エリーが家を出た理由について何の説明もしてくれませんでした。エリーがスティーブンに家をあげたがった理由しか教えてくれなかったのです。話を聞いた当初は、エリーが引っ越しした理由について尋ねてみようとは思い当たりませんでした。スティーブンが家を訪れるという条件は、それと何か関係あるのでしょうか？

両親が関わっている？

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スティーブンは最初、エリーがスティーブンと両親の関係を修復させたいのではないか、そして彼が町を訪れなければならないのはそれが理由なのではないか、と考えました。確信が持てないままでしたが、スティーブンはその翌日、エリーの家まで出かけていきました。弁護士が家までの交通料を払ってくれたのでした。

まっすぐ家に向かう

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町に到着したスティーブンは、エリーの家に直行しました。両親に自分がそこにいることを知られたくないので、両親の家には近づかないようにしました。両親がエリーの家で待ち構えていないことだけを願っていました。しかし、エリーの家には誰もいないようでした。

大きなスーツケース

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弁護士から受け取った鍵を使って中に入ろうとして、スティーブンはドアに新しい鍵が2つ取り付けられていることに驚きました。一見したところ、家の様子でほかに変わったところはないようでした。しかしスティーブンは、ダイニングテーブルに大きなスーツケースが置かれていることに気づきます・・・

大量の封筒

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スーツケースが自分のために残されたものなのか確信が持てません。スティーブンがスーツケースに近づくと、そこには自分の名前が書いてありました。スティーブンは、それがエリーの手書きの字であることに気付き、これはエリーがしたことなのだと考えます。こうしてスーツケースを開けたスティーブンは、中に大量の小さな封筒が入っているのを見つけます。

スティーブンがした作業

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スティーブンは適当に封筒の1つを選びました。封筒には「食料品の買い出し」と書かれています。次にほかの2つの封筒を手に取ります。「雨どいの修理」、「台所の掃除」、「散歩への同行」。何年にもわたり、スティーブンがエリーとピーターのためにやってきた数々のことが書かれていたのです。

封筒にはお金が！

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そして、これが最大の驚きでした。すべての封筒にお金が少しずつ入っていたのです！紙幣は10ドルから20ドル、一部には50ドルのものもありました。すべての封筒から紙幣をすべて取り出して数えてみると、合計で約1万5千ドルほどになったのです！

エリーへ電話

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スティーブンは、衝撃が冷めやらないまま、エリーに電話をかけることにしました。驚いたことに、エリーは電話に出てくれました！エリーは、このお金はすべて、過去2年の間にスティーブンがちゃんと稼いだものの、受け取りを拒否し続けたお金だと説明しました。スティーブンの優しさと援助に対するエリーのお礼だったのです。

涙を流すスティーブン

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これを聞いてスティーブンはたくさんの涙を流しました。このお金があれば、彼の人生を完全に変えることができます。その上、エリーがまだ元気で生きていることを知ってとても安心しました。このお金を使い、スティーブンはアンカレッジに引っ越しし、そこのアパートに住み始めました。

人生を好転させる

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やや堅実な基盤を手にしたスティーブンは、人生を完全に好転させることができました。これまで以上に簡単に仕事を見つけ、確実に昇進を続けました。さらにしばらくして、現在付き合っている恋人にも出会いました。今ではその恋人と一緒に暮らし、2人は子供をつくることも考えています。

まだ所有している家